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お金を払うと「腹が痛む」のはなぜ?言葉と体の不思議なつながり

腹部を用いた慣用句

日本語には「腹を割る」「腹に据えかねる」など、お腹(腹部)を用いた慣用句が驚くほどたくさんあります。

昔の人は、お腹が感情や本音を司る場所であることを本能的に理解していたのでしょう。


さて、今回取り上げるのは「腹が痛む」という言葉です。 実際にお腹を下しているわけではないのに、なぜ「痛む」と表現するのでしょうか。

この言葉の背景を探ってみると、現代の私たちが抱えるストレスとお腹の意外な関係が見えてきます。

「腹が痛む」=「自分でお金を払う」ということ

まずは言葉の意味を確認してみましょう。


腹が痛む:自分の持ち金から支払う。出費をする。(例:「費用は先方持ちだから、こちらの腹は痛まない」)


面白いのは、この言葉が使われるシーンです。例えば、大切な人へのプレゼントや、ワクワクする旅行にお金を使うとき、私たちは「腹が痛む」とは言いませんよね。


この言葉が使われるのは、多くの場合「予定外の出費」や「不本意な負担」が生じたときです。「できれば出したくない、損をしたくない」という心理的な抵抗があるときに、私たちは「痛む」という表現を選んでいます。


「懐(ふところ)が痛む」との共通点

同じ意味でより馴染みがあるのが、「懐(ふところ)が痛む」という言葉ではないでしょうか。


どちらも「自分のお金が出ていく」ことを指しますが、現代では「懐」の方が金銭的なニュアンスが強く、「腹」の方はより内面的な、精神的なダメージを含んでいるような響きがあります。


快くない出費は、単にお財布が軽くなるだけでなく、私たちの心もちくっとしませんか。その「不快感」や「葛藤」が、お腹の違和感として現れることを、昔の人は鋭く捉えていたのかもしれません。


「自腹を切る」に隠された覚悟とストレス

「腹が痛む」と似た言葉に、「自腹を切る」という表現があります。これも「本来なら出さなくていいお金を、自分が負担する」という意味で日常的に使われますよね。


しかし、よく考えると「腹を切る」とは非常に激しい言葉です。

かつての武士が責任を取るために行った「切腹」を連想させますが、現代の私たちも、不本意な出費や重い責任を負うとき、まさに身を削るような思いでお腹(心)にダメージを負っています。


まとめ:昔の人の観察眼に驚く!

お腹にまつわる慣用句を紐解いてみると、どれも言い得て妙なものばかりで、誰がいつ言い出したのか不思議なほど感慨深くなります。


心の葛藤や、ぐっと堪えた感情が、ダイレクトに「お腹の痛みや不調」として表現される。それは、昔の人が自分の体の微細な変化を、それだけ丁寧に観察していた証拠なのでしょうね。


他にも、腹部を用いた慣用句はまだまだたくさんあります。

またこちらでご紹介していきますが、ぜひ皆さんも「今の自分のお腹の状態」と照らし合わせながら、日常の言葉を観察してみてください。

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