「糖尿病性腎症」をご存知でしょうか。これは糖尿病から起こる合併症の一つです。
腎臓で尿を作って出す力が弱くなってしまうので、「透析」を行って血液をろ過する必要があるんですね。この人口が年々増加しているといわれています。
尿を作って出すという、いわゆる「デトックス」をしてくれる腎臓が弱ると、便秘になっている場合ではないのはおわかりいただけますでしょうか。毒を出す腎臓も大腸も弱ってしまうと、体内にどんどん毒素がたまってしまう…これでは病気が治るどころか、また他の数値が悪くなりそうですよね。
ところが、腎臓を患っている人の中には、便秘の人は少なくないですし、糖尿病性腎症の患者に処方された薬の副作用が「便秘」であることも、実際にあるんです。
そんな糖尿病性腎症を患っている方に向けても腸もみは有効です。実際のお話しをしましょう。
糖尿病患者に腸もみをしたら…
腎臓を移植する手術を控えた糖尿病患者さんに、腸もみを行いました。手術するまでの約2ヵ月半もの間、透析をする必要がありましたが、それをしていたら安心というわけではありません。腸もみをしたり、全身のアロマトリートメントをしたりと免疫力や体力をなるべく維持することを目指しました。
それまでは薬の副作用なのか、腎臓の影響なのか、よく便秘をしていたのですが、腸もみを続けるとお通じがスムーズになりました。そして、クレアチニンの数値(腎臓の健康度を測る数値)も安定してきたのです。クレアチニンの数値が安定するって、本当に大変なことなんですね。なぜなら、徐々に腎機能が低下していく“進行性”のものといわれているからです。
「腸腎連関」が注目されている
『脳腸相関』って聞いたこと、ありますか。脳と腸が互いに連携を取っているよってことなんですが、腸と腎臓もそうであるということがわかっていて(腸腎連関)、日本糖尿病学会の学会誌にも掲載されています。
『腎機能の低下』×『尿毒素の蓄積』は、腎臓を患うとついて回る悪循環ですが、ここに腸もみ(外側からのアプローチ)と腸内細菌を意識した食事(内側からのアプローチ)を取り入れることで、尿毒素の減少がみられるんですね。
腸も腎臓も、どちらもデトックスする臓器です。互いに助け合っているし、両方を悪くしている場合ではありません。全く別の臓器だと切り離して考えてはいけないんです。
一時期、テレビCMでも流れていたのはご存知でしょうか。いまや、日本人の8人に1人が慢性腎臓病だと言われています。腎臓って痛みが伴わないので、知らず知らずのうちに患ってしまう臓器なんです。腎臓を患うのは糖尿病だけが原因ではありませんので、誰もが気をつけたい病です。
もし身近に腎臓を患う人が現れたら、必ず腸活・腸もみを勧めてあげてください。すでにご家族で慢性腎臓病の方がいらしたら、腸もみをしてあげませんか。
家族ができることは必ずあります。興味がある方は、腸セラピー初級講座でお会いしましょう。腸活のいろはと腸もみの技術を身につけることができますよ。