腸もみを受けたことがありますか。私が初めて腸もみを受けたのは2014年とか2015年とか、その辺りだったと思います。「何それ?」と思いながらでしたが、信頼している方からのご紹介だったので、体験してみようと思って受けたのが腸もみとの出会いです。
その後、そのセラピストさんが講師を務める腸もみ体験会(施術をやってみる、という体験会)に参加したとき、また改めて講師(セラピスト)の方に少しですが腸もみをしてもらったのですが、その時の言葉が未だに忘れられません。それは・・・
「麻紀さん、もっと自分にやさしくね」
腸もみを受けて、このような声掛けをされるなんて。腸もみをした人が、このような声掛けをするなんて。私、特に何も悩みとか言っていないのに。
それでも、張りつめていた糸が切れそうになる感覚を覚えました。
そしてのちに私は、この講師と同じような立場になるのです。そのお話しをさせていただきますね。
腸もみを受けて涙を流した女性たち
私の腸もみを受けて、涙を流された女性が数名いらっしゃいます。
40代、50代の働き盛りで、はっきりと言われた方とそうでない方とおられますが、共通している心の叫びは、「私、こんなに頑張っているのに!」でした。
このような叫びは、私も過去に何度も張り上げたので(心の中で)、「わかります!」と言ってしまえばなんだか薄っぺらいですが、過去の私と共鳴するようなチクチクする感覚がありました。
腸もみをしていてその女性たちは、ツーっと涙を流されたのです。勝手に涙が出た、静かに流れた、そんな感じでした。
ただ当時は私も経験が浅かったから「すみません!痛かったですか」とお聞きしたんですが、痛いから泣いたという人はいませんでした(そもそも考えてみたら、泣くほど痛いことはありません。笑)
「頑張っている自分を、自分が認めていなかった」このように、ぽつりとおっしゃったのです。
外側(会社の上司や同僚など)に、私の努力を認めてよ!なんで認めてくれないの!?という怒りに近い感情があったのだけれど、腸もみをしていくと、そもそも自分自身が、努力している自分を認めていなかった。ここに気づけたときに、自分をいとおしく思えたと。
なぜ腸もみで自分の頑張りに気づけたか
腸もみをするときは、セラピストとお客様の間に会話は基本的にはありません。しゃべらないでくださいというわけではありませんが、しゃべってしまうとお腹に力が入るので、腸もみの効果がイマイチ得られないという物理的な理由から、私からは話しかけません。(おしゃべりした方がストレス発散になっていい!という方は話していただいてOKです)
そうすると、意識が「セラピストの手(触られているところ)」に向きます。基本的にお腹をずっと触っているので、お腹に意識が向くということです。
さて、「精神は腹部に宿る」と昔から言われているのですが、聞いたことがありますか。「腹黒い」とか「腹を割って話す」という慣用句があるように、どうやらお腹には感情なのかメンタルなのか、心なのか、本音なのか、何と言えばいいかわかりませんが、そのようなものがあるようです。
薄暗くて静かな部屋でそんなお腹に意識を集中させると、自分の感情・メンタル・心・本音に気づかざるを得ません。「あぁ、本当はこうしてほしかったんだ」と気づいて、ふと余計な力が抜けていくのです。
セラピストがお腹の中の感情に気づけるか
「お客様が自分の気持ちに気づいた」というお話をしましたが、この記事の冒頭では、セラピストが私に「自分にやさしくね」と声を掛けてくれたエピソードを書いています。つまり、セラピストがお客様の本音や心に気づけるのかということですが、結論から申し上げますと「気づけます」です。
とはいえ、すべてのお客様が隠し持っている本音を暴いてやろうなんてことは微塵も思っていなくて(笑)、というか、そんなことはできません。
「私の心をみてください!」みたいなことを言われても、たぶんムリです。
それでも、私の経験上「気づけます」と言えるのは、気づけたことが何度も何度もあるからです。またそれは、東洋医学を学ぶことで、よりわかるようになりました。
ただし、お客様がセラピストである私に対して、心をオープンにしてくださっていることが条件です。
「こんな腸もみで便秘が解消するんかな…怪しいなぁ」なんて心の中で思われていたら、それは身体に現れます。どうせ受けるなら「これでよくなるといいな♪」くらいの気持ちで来てくださいね。
自己犠牲の上では誰も幸せにならない
自分が我慢すれば、うまくいく。自分が我慢すれば、円滑に物事が回る。そんなこと、思わなくていいんです。
誰かの我慢の上では幸せなんて成立しませんから。
私も「こんなに頑張っているのに、なんで報われないの!」と思いながら過ごしたことがあるのですが、向けるベクトルが違ったなぁと今ならわかります。
無意識に歯を食いしばっている方に向けて、本を出しております。
腸もみをとおして気づくには、何の誘導もありません。純粋に自分の心・本音に耳を澄ませると、余計な力が抜けて、身体もほぐれます。
そんな使い方もあると、覚えてもらえると嬉しいです。