腸活において(というか、健康維持のためには)食物繊維をしっかり摂ることが大切なのは、みなさんご存じのとおりです。
そして少し食べ物について勉強したことがある方なら「水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のどちらをどれくらい摂ればいいですか」と質問される方もいらっしゃいます。
この記事ではタイトルにある通り、水溶性か不溶性かという二択ではなく、「発酵性」の食物繊維に注目しよう!ということを、具体的にどんな食材があるのかもあわせてお伝えしますね。
「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」についても、さらっとおさらいしますので、食物繊維や野菜不足を感じられている方は、ぜひ最後までお読みください。
食物繊維の種類
まずは、食物繊維の種類についておさらいです!
水溶性食物繊維
読んで字のごとく「水に溶ける食物繊維」のこと。溶けて見えなくなるというより、片栗粉を水に溶かすととろみがつくように、水溶性食物繊維は水に溶けるとドロドロのゼリー状になります。
ドロドロになるので、腸内はゆっくりと進みます。ゆっくり進むことで、糖質が体内に吸収されるのもゆっくりになる、つまり急な血糖値上昇を抑えてくれるのですね。
食物繊維と聞くと、便秘解消をイメージされるかと思いますが、それ以外にも生活習慣病予防やダイエット効果も大いに期待できます。
代表的な食材
りんご、バナナ、わかめ、昆布、オクラ、ごぼう、アボカド、大豆、納豆など
こちらは「水に溶けない食物繊維」ですね。水に溶けないということは、水分をぐんぐん吸って膨らみます。腸内での働きは、老廃物や毒素をくっつけて、排出するのを助けてくれます。便のカサを増やして腸を刺激してくれるので、お通じにお悩みの方はやはりしっかり摂っていきましょう。大腸がんリスクを下げる効果が期待できるとも言われています。下痢に悩む方も摂取してくださいね。
代表的な食材
玄米、レタス、キャベツ、ごぼう、大豆など
発酵性の高い食物繊維とは
海外では、水溶性か不溶性かで区別するのをやめようという風潮があるようで、では何に注目しているのかというと「発酵性」とのことです。
発酵性のある食物繊維とは何なのか、消化器病学が腸内細菌叢が専門の内藤裕二先生(京都府立医科大学大学院教授)のお言葉をお借りしますと次の通りです。
おなかの中で菌がエサにして体に良いものをつくり、エネルギーも出すような食物繊維のことです。菌がよく利用できるものを「高発酵性」、できないものを「低発酵性」といいます。 https://news.yahoo.co.jp/articles/91c64da5496358dd16966e9e311f01bedad7af08?page=1
発酵性が高い食物繊維を摂るには、どんな食材がいいのかというと、豆、イモ、穀物、キノコ、ゴボウ、キウイ、リンゴ…と、内藤先生はおっしゃっています。
「聞き慣れないなぁ」と思われる方も、一度「発酵性食物繊維」でネット検索してみてください。色々な企業がすでに説明してくれていますので、ピックアップして積極的に摂取してください。
負担のない食材の摂り方
発酵性食物繊維に限らず、私が食事の見直しをする際に必ずお伝えしていることがあります。それは今、(あまり)食べていない物だけをピックアップするということです。
例えば、「豆、イモ、穀物、キノコ、ゴボウ、キウイ、リンゴ」を覚えて意識して摂ろうと思っても、そう簡単にはいきません(笑)。1週間もすれば忘れてしまったり、覚えたことで満足して、実際は口にしていない可能性があります。
私たちの生活で覚えたり、意識しなければならないことは食事だけではありませんから、この7つの食材のことだけを考えて生活するなんて無理ですよね。
そこで、この7つの中から普段は全然食べないものは何だろうという目で見てみると、「ゴボウとキウイはほとんど食べていないな」と絞れるはずです。2つくらいなら覚えられます。
そしてゴボウだとしたら、自分で調理をしない人でも、外食先できんぴらごぼうの小鉢を注文するとか、サラダはごぼうサラダにするとか、工夫して摂ることができます。
このように、「摂取したい食材一覧」を見たら、その中から「普段、食べていないもの」を見つけることをやっていきましょう。普段食べているのであれば、もう覚えなくていいですもんね。普段は食べていない物も、食材一覧があるからこそ気づけるものです(ないものには気づけないので)。
腸活的には偏ってもよくない
「発酵性の高い食物繊維が注目を集めている!」となっても、そればかりに偏っては元も子もありません。
そもそも、発酵性食物繊維の中にも3つのグループがありますし、当然ですが、私たちの身体は食物繊維だけで維持されているわけではありません。
身体にいいものだけをルーチンにして食事を摂っている人の腸内細菌検査の結果を拝見したことがありますが、悪玉菌は確かに少ないけれど多様性が乏しいので健康とは言い難いという状態でした。実際に検査を受けられた動機も「食事に気を遣っているのに、体調が優れない」というご相談でした。
「今の私には何が足りていないの?」そう思われる方や、ある程度気を付けて栄養バランスを考えているのに体調が優れないと思われる方は、腸内細菌検査をおすすめします。