2025年3月28日にNHKで放送された番組「放送100年!春の72分拡大版スペシャル」では、“その日の気分で食べたいものが変わるのはなぜ?”というテーマで腸内細菌について話題になっていました。
その日の気分で食べたいものが変わるのは腸内細菌の影響ということで、内藤裕二先生が出ていらしたのですが、腸内細菌に関心のある方ならお名前くらいはご存じの方も多いのではないでしょうか。私も内藤先生の「脳腸相関」というまあまあマニアックな本を持っております。
例えば「酪酸菌を増やせば健康・長寿になれる~今、話題の酪酸・酪酸菌のすべてが分かる!」という本を書かれていて、この酪酸菌というのは私の中では「善玉菌より善玉菌!」と言いたいくらいとても大切な細菌なので、ぜひ読んでみてほしいなと思っています。
話を「チコちゃんに叱られる!」に戻しまして、ここでは2つの細菌が紹介されていました。
「デブ菌と痩せ菌」で語るのは危険

いわゆる「デブ菌」と言われるファーミキューテス(フィルミクテス表記も)の菌と、「痩せ菌」と言われるバクテロイデスという菌があります。
どちらもたった1種類の細菌を指すのではなく、「ファーミキューテス門」「バクテロイデス門」といったグループの名前です。ファーミキューテスの中にはAとかBとかCなど、数え切れないくらいの菌が存在します。
デブ菌・痩せ菌と聞くと、デブ菌があるといやだなと思う方もおられると思いますが、両方必要で、両方誰もが持っています。痩せ菌が多すぎると栄養を吸収する力が弱かったりするので、偏らないのが理想です。
内藤先生によると、日本の長寿地域で有名な京都府京丹後市のご長寿の腸内細菌には、ファーミキューテスの菌が多いとのことです。
健康長寿の地域・京都府京丹後市
京都府京丹後市は、住民の人口に占める100歳以上の方の割合が、全国平均の役2.8倍で、大腸がん罹患率は半分以下だそうです。
内藤先生に限らず、腸内細菌のセミナーに参加すると、専門家がこの京丹後市のデータを出されています!
ファーミキューテスがデブ菌で知られているので、このお話を聞くと注目しないわけがありません。
酪酸菌は免疫パワー!
「ファーミキューテス」はグループの名前だと申し上げました。その中でも次の4つが「酪酸」を作る菌なんですね。
- ファーミキューテス門 ロゼブリア属
- ファーミキューテス門 コプロコッカス属
- ファーミキューテス門 ラクノスピラ科
- ファーミキューテス門 ラクノスピラ属
酪酸を作る菌(酪酸産生菌)は、一言でいうと「免疫力」です。
腸管の免疫機構を調整し、炎症の抑制や腸粘膜機能を正常化する働きがあります。(ちなみに、人の体調不良は「炎症・糖化・酸化」です)

京丹後市の方々は、魚や豆を多く摂り、食物繊維の摂取量も多いというデータがあります(セミナーでよく出てきます!)。
「チコちゃんに叱られる!」でも、内藤先生は腸内環境を改善するモニターの男性(ディレクターさん?)に、食物繊維の多い食材を摂ることを指導されていました。
「私の腸内細菌はどうなっているの?」と気になる方は、ぜひ腸内細菌検査を受けてみてください。
先に申し上げておくと、他の企業さんよりは値段が高いです。お安めの検査だと「ファーミキューテス」の割合がわかったとしても、「ファーミキューテス門○○○」というふうに細かくはわかりません(だから安い)。
検査キットはご自宅に郵送しますので、こちらからどうぞ。
腸内細菌の情報は細かく奥深い

腸活に関心のある方なら「脳腸相関」という言葉は聞いたことがあるかと思いますが、腸肝軸だとか、腸腎連関のように、脳以外の臓器との連携もわかっています。
また、今回のブログでも書いたように、「デブ菌」といわれていた菌のグループの中には免疫力に関する細菌もいるということで、「デブ菌」と一言でまとめてしまっていいものかと思うくらいその働きは複雑で奥深いです。
腸内細菌の情報を取りに足を運んでいますが、今はどこにいっても誰の話を聞いても、基本的にはバランスよく何でも食べることを推奨されています。
そして最新情報が発表されるというより、昔から言われていたことを科学的に証明しているというのが現状のようで、まさに先人の知恵にならいたいものですね。