腸活情報を調べようとすると、「腸活 ココア」と出てくることがあります。腸活にココアがいいですよ!という記事もあれば、有名なメーカーが「腸活ココア」を販売しているようです。
このブログを読んでくださっているということは、腸活に関心がおありだと思うのですが、ココアを試されたことはありますでしょうか。
結論から言って、私は「腸活にココアはいいのか?」という問いがあるとすれば、このように答えます。
「興味があるなら、とりあえず飲んで様子を見てみて」
なんとも適当に聞こえる回答かもしれませんが、それには理由があります。
腸活にココアっていいのかな?と迷われていたら、読み進めていただければ幸いです。
そもそも「ココアは体によい」というイメージがあるかもしれません。ポリフェノールが含まれているからというのは聞いたことがあるかと思いますが、では、ポリフェノールはなぜ体にいいのかご存じでしょうか。
ポリフェノールは抗酸化作用を持ちます。酸化に抗う…つまり、体が錆びるのを(細胞が老化するのを)防ごうとしてくれるわけです。(ちなみに、体が不健康・病気になるのは、“酸化・糖化・炎症”です)具体的には血流促進、血糖値の上昇を抑えてくれたりします。
ポリフェノールのほかは、鉄分や食物繊維も豊富です。鉄分は不足しがちな栄養ですし、食物繊維が豊富で腸の蠕動運動活性化につながるので、腸活にココアはピッタリと言えるでしょう。
「腸活ココア」の特徴
ココアで有名な企業がこのような商品を出しています。
例えば、バンホーテンが出している「腸活ココア」は、イヌリンが含まれているのが特徴です。イヌリンは水溶性食物繊維が豊富で、キクイモ(菊芋)によく含まれています。血糖値の上昇を抑えるからと、糖尿病の方にキクイモのサプリが勧められることがあるのですが、もちろんキクイモはどなたでも健康のために摂りたい食べ物のひとつです。見た目は生姜みたいな形です。
もともとココア自体にポリフェノールが豊富に含まれているので、さらに体によいココアということがわかります。
腸活に取り組む目的は人それぞれです。便秘解消だけでなく、お腹が緩い人もいて普通便を出せるようにしたいと思っている人もいますし、ダイエット目的の人もいます。美肌を目指すとか、花粉症や鼻炎などのアレルギー症状を抑えたい方も少なくありません。
つまり、目的がバラバラなのに「腸活」と一括りにして同じ手段を勧めることはできない、ということです。
「血圧が正常ではないから」といって、高血圧の人と低血圧の人に同じ薬は出されませんよね。この薬を飲めば血圧がちょうどいいところに落ち着きますよっていうのはなくて、高いものを低くするだけです。
実際に、腸活ココアを飲んで太った(体重が増えた)方がいらっしゃいます。腸活=ダイエットと捉えていたら、体重が増えるなんて、まるで副作用なもの。ところが、腸内細菌が豊かになることで栄養を吸収する力が上がることはあります。体重が増えた、しかも心当たりは腸活ココアしかない!と考えるなら副作用でもなんでもなく、腸内細菌の影響です。
いくら体によいものでも、そればかりを食べ続けるのはおすすめしないどころか、やめてくださいとお伝えしています。腸活といえば納豆を連想する人がいますが、その納豆ですら毎日食べるものではありません。朝は納豆ご飯!というように、ルーティンにしてほしくないのです。
私たちが口に入れるものは腸内細菌のエサになります。同じものを食べ続けることで、それを好む腸内細菌がどんどん増えていきます。100%中、何%をどんな細菌が占めるか?が重要なので、いい細菌でも例えば40%も割合を占めてしまうと、多様性に乏しい腸内環境になり、それは腸内環境が整っているとは言えず、不健康になってしまうのですね。
例えば、水溶性食物繊維が足りないからもっと食べましょう!となったとして、毎日わかめを50g食べるより、水溶性食物繊維を多く含む食材5種類を10gずつ食べた方がいいということです。
多くの人が、たった1つの正解とか、1つのことで手っ取り早くゴールにたどり着きたいと思うもの。そこで「腸活にはココアがいいよ」って言っちゃうと、ぐびぐびココアを飲み続けた結果、「ココアを飲んでいるのに改善されない」となりかねません。
これは乳酸菌飲料などにも言えることですが、とってもいいものが入っているのに砂糖が多すぎることで、結局その商品自体はおすすめしないということがあります。
純ココアの粉末を舐めたことがありますか。普段飲むココアとは当然違って、全然おいしくないです。あったかいあのココアが美味しいのは砂糖が入っているからなんですよね。
ココア自体が体にいいと言っても、美味しく飲むのには砂糖が必要。そのことをお忘れなく、適量にしておきましょう。
ココアは体にいい、けれど腸活として特段オススメしていない理由をお伝えしました。
ココアを否定しているのではありません。手段と目的を考えて選んで行くことと、腸内環境によって合う合わないがあるので、自分の場合はココアがいいのかな?と思ったら、過信せずに試してみるのもいいかなと思います。