東洋医学では、目に見えるものも見えないものもセットで考えますし(「臓器と感情」などがまさにそう)、良し悪しではなく陰陽(表裏)で考えます。その中でも、五行説と呼ばれる万物を五つの要素に分類する考え方は、東洋医学の根幹をなすものです。
その五つの要素とは、木・火・土・金・水の五つ。幸せ腸セラピー協会の腸もみは東洋医学をベースにしていますので、この五つの概念を理解することで腸もみの効果、腸活の取り組みがより具体的に、個人に合ったものになってきます。
今回は、その中でも「水」の働きを司る「腎」に焦点を当て、あなたの健康との深い関係について探求していきます。
五行説における「水」と「腎」の役割
五行説において、「水」は、万物に滋潤を与え、生命を育む源となる力を持っています。そして、この「水」の働きを体内で司るのが「腎(腎臓)」です。
腎は、単に排泄器官としてだけではなく、骨の成長や聴力、そして私たちが感じる「気」の根源としても重要な役割を担っています。
排泄・骨・聴力…このあたりから何が連想されますか。これらは加齢とともに変化する(力が落ちる)という共通点があります(もちろん、個人差はあります)。
なので、誰にでもいつかは訪れることであると同時に、実年齢に関係なく身体の老化のサインであるとも考えられますね。
ちなみに「髪」も、「水」のグループに入ります。(「毛」は「金」です)
腎の不調が引き起こす症状とは?
腎の働きが低下すると、様々な不調が現れる可能性があります。例えば、次のようなものです。
疲労感やだるさ:「気」の不足が原因で、慢性的な疲労感に悩まされることがあります。
むくみ:水分の代謝が悪くなり、手足や顔がむくむことがあります。
自律神経の乱れ:むくみと自律神経は密接に関係しています。自律神経が乱れると、不眠やイライラなど心身ともに様々な不調が出てきます。
腰痛:腎は腰のあたりに位置しているため、腎の不調は腰痛を引き起こすことがあります。
冷え性:体が冷えやすく、手足やお腹が冷たいと感じることがあります。
不安感:必要以上に気にしたり、恐れを感じたりすることがあります。
腎を養うための具体的な方法
腎を健康に保つためには、日々の生活習慣の見直しが必要です。
- バランスの取れた食事:黒色の食品(黒豆、黒ごまなど)や、海藻類、きのこ類などを積極的に摂りましょう。
- 十分な睡眠:睡眠不足は、腎の働きを低下させる原因となります。できるだけ夜中に行くトイレの数を減らして熟睡し、翌朝にしっかり排尿できるのが望ましいです。
- 適度な運動:ウォーキングなどの、無理のない範囲で運動を行いましょう。負荷のかかる筋トレは「腎」のエネルギーを整える際には一切オススメしません。
- ストレスや疲労を溜めない:ストレスは、体の様々な機能を低下させます。特に過労・疲労は「腎」を弱らせますので、こまめに休みましょう。
- 足湯や温浴:足湯や温浴は、体を温め、血行を促進する効果があります。のぼせでお困りの方も、足元を温めることを取り入れてみてください。
「水/腎」のエネルギーを整えるハーブティーもご紹介しておきます。
【五行・水】ハーブティー|幸せ腸セラピー協会
陰陽五行の「水」のエネルギーを整えてくれるハーブティーです。ハーブティー専門店で特別にブレンドしていただいております。お薬を服用されている方でも安心してお飲みいただけます。300ml程度のお湯で8~10分蒸らしてからどうぞ。【内容】7袋セッ...
「先天の精」とは
「水/腎」は「先天の精」(先天の気)といわれています。ちなみに後天の精は「土/脾胃」です。
読んで字のごとく、生まれ持った体力といったところなのですが、もし生まれつきの体力があまりなかった(同い年の人と比べて体力がない)という人もご安心ください。それならば「後天の精」で補えばいいだけの話しです。ただ、ご自身の体力を過信しないように過ごしていただきたいなと思います。
私自身はここの力が弱くて、子供のころは遠足の翌日に熱を出す、運動会の翌日に熱を出す、病院で点滴を打ってから小学校に通う…そんな子供時代を過ごしました。
今でも、ちょっと根詰めて仕事をすると耳鳴りがします。耳も「水/腎」のグループです(聴力と上述しております)。そして内耳がむくむと耳鳴りがすることもあるのです。
ダンスレッスンの様子一方で、小学生時代からスポーツに打ち込んできました。地域のバレーボールクラブに入って、週2日の練習をしたり試合に出たり、中学生以降も部活は運動部、大人になった今でもダンスを習っています。
中学でソフトボール部に入部すると、そんな体力あるのかと母は心配しましたし、大学でチアリーダー部に入ると、祖母は「あんなに体力がなくて歩くのも遅かったのに、そんなことできるの?」と驚いていました。(歩きだすのは心配されるくらい、めっちゃ遅かったそうです…。しかも2歳下の弟より全体的に鈍臭くて、階段も恐々手をついていたとか。笑)
運動した後は、がっつり食べてきました。今でもダンスの日の夕食は、普段とは別人のように食べます!このように知らず知らずのうちに「後天の精」で力をつけてきたのだと思います。
腸もみサロンで見る「水/腎」の力
さて、東洋医学の診察方法のひとつとして「目で診る」というのがあります。望診(ぼうしん)というのですが、何もこれは珍しいことではなく、私たちが普段の生活で無意識に行っている事です。
例えば朝、鏡を見て「クマが出来ているなぁ、眠れなかったもんな…」とか、同僚の顔を見て「顔色がよくないけど大丈夫?」といった具合に、目で見て健康具合をチェックしていますよね。
このような感じで、腸セラピストもお客様の耳や足などを見て、「水/腎」のエネルギーは小さくないかを確認することができるのです。
カウンセリングで根掘り葉掘り聞かなくてもいいということです。これができるから、症状別ではなく、個別(人別)の腸活アドバイスができるようになるのです。なんだかおもしろいですよね。
腸セラピスト資格講座で、五行の講義をご用意しています。観察する力をつけていきましょう!
まとめ
東洋医学の視点から見た「腎」は、単なる臓器ではなく、私たちの生命力を司る重要な器官です。腎の健康は、私たちが健やかに生きるために不可欠な要素と言えるでしょう。
この記事で紹介した情報を参考に、日々の生活の中に東洋医学の知恵を取り入れてみてはいかがでしょうか。